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日本の対中政策が定まらないのは、日本の保守主義者の態度が歴史的に流動的であったため、というのが著者の分析の出発点である。中国の勢力圏は拡大するため、日本の保守主義者の中には、日本が中国の勢力圏内にいれば日本のビジネスチャンスも比例して拡大すると見る者もいれば、小沢一郎氏のように、よりあからさまに、中国と一緒に進めば米国はもう必要ないと見る者もいる。

The Rise of China vs. the Logic of Strategy
Edward N. Luttwak
0674066421

次に、2009年12月の小沢氏の中国訪問から2010年9月7日の尖閣事件、そして2011年3月11日の東日本大震災および現在に至るまで、日本の対中政策が大きく変化していった様子が説明される。著者によれば、2009年12月というのは、日中関係が最高潮に達したのに対し、日米関係は最低を記録した月であったという。しかし、このような良好な日中関係はすべて、 2010年9月7日の尖閣事件によって突然大きく変化した。

自滅する中国
エドワード・ルトワック 奥山 真司
4829505907

2011年3月11日の東日本大震災は、自衛隊の能力および米軍の重要性を国民に示す絶好の機会となった。したがって、このような中、日本の防錆予算が増えることは最もなことである。また、震災中に米軍が示した行動も、米軍に対する日本国民の意識を鼓舞する上で大きな役割を果たした。

後半は、中国の勢力圏拡大を日本のビジネス上の利益と結びつけた分析が中心。日本は、中国の天下の内側にいることで反映できるという一部の保守主義者の考えには限界がある。なぜなら、中国がどこまでも礼儀正しいという保証はないからだ。

鍵となるのは、ロシアおよびその同盟諸国である。これらの国々が、商取引の分野で中国包囲網に加われば、中国は極めて困難な状況に置かれることになる。ロシアにとっても、国境地帯に大量の中国人が流入するよりも、日本の事業が参入する方が良いだろうし、地元で日本企業による雇用が発生すれば、人口の流出を防ぐことができる。

したがって、日本が、北方領土問題を脇に置き、ロシア極東地域で事業を活発化させれば、同地域でシメトリカルに活動する中国人に対抗することができるだろうというのが著者の結論。